ドラゴンクエストIIではサマルトリアの王子やムーンブルクの王女を仲間にしないと通過できないような場所があります。よって、普通にプレイするかぎりは、ムーンブルクの王女を仲間にしないで船に乗ることや、サマルトリアの王子を仲間にしないでムーンブルクの王女を仲間にすることなどはできません。
しかし、佐藤佳征さんによる『DQ2 復活の呪文作成』プログラムを使用することで、上に述べたようなことも可能になります。つまり、ローレシアの王子一人だけの状態でロンダルキアで復活するような復活の呪文を作成すればよいのです。
ここではサマルトリアの王子やムーンブルクの王女を仲間にしていない状態で、ローレシアの王子一人だけでクリアするとどうなるかを調べてみようと思います。
復活の呪文を使うので、当然スーパーファミコン版・ゲームボーイ版では不可能です。ファミリーコンピュータ版・MSX版・MSX2版のドラゴンクエストIIが対象機種となります。なお、この文書の中で「ドラゴンクエストII」と書いたときは、上に挙げたスーパーファミコン版・ゲームボーイ版以外のものを指します。
まずは復活の呪文を作成します。ただでさえ難易度がかなり高いドラゴンクエストIIをローレシアの王子だけでクリアしようというのですから、相当強いキャラクタでないといけません。
とりあえず最強レベルである50にしておきます。シドーを倒しに行く途中でレベルアップしてしまうと、後述の裏技の効果がなくなってしまうので、最強レベルにしておくべきでしょう。経験値を1000000にすればレベル50になります。
必要ありません。
ドラゴンクエストIIではキャラクタ1人につき8つまでしか道具を持つことができません。さらに、クリアするまでに使う必要のある道具がいくつかあり、それらをすべて持っておく必要があります。
『進行チャート』を見ればわかりますが、「ルビスのまもり」「きんのかぎ」「ろうやのかぎ」「じゃしんのぞう」を持っておく必要があります。ただでさえ少ない道具欄を占有してしまいますが、しかたありません。
『道具』の節で述べた通り、クリアに必要な道具が4つあるため、武器と防具は合わせて4つまで持てます。
ハーゴンの神殿で「はかいのつるぎ」の攻撃力を持った「はやぶさのけん」を作る裏技を使わないと非常に苦しいところです。よって、「はやぶさのけん」を装備しておいて、さらに「はかいのつるぎ」を持たせておきます。
また、複数の武器を装備した状態の復活の呪文を作成すると、それぞれの武器の攻撃力と特殊効果が合成されるようです。「はやぶさのけん」と「いなずまのけん」を2つとも装備した状態だと、攻撃力90(85+5)で2回攻撃が可能という非常に強力な武器になります。この場合、ロンダルキアのほこらからハーゴンの神殿までの道のりが楽になります。
ハーゴンの神殿にはバリアが多いので、バリアでダメージを受けない「ロトのよろい」を装備するのが妥当でしょう。
「ちからのたて」は戦闘中に使うとベホイミの効果があります。ローレシアの王子1人の場合、回復手段はこれしかありません。「ロトのたて」の方が守備力が高いのですが、「ちからのたて」も守備力はかなり高めです。
前述の裏技を使う場合は「はやぶさのけん」と「はかいのつるぎ」の2つを持っておく必要があるので、鎧・盾・兜のどれかは持つことができません。よって、「ロトのかぶと」を装備するのはあきらめます。
以上の条件をもとに作成した復活の呪文を以下に示します。なお、キャラクタの名前はコンピュータロールプレイングゲームの主人公にありがちな名前にしました。:-)
ぎうよ るぷむ やぱいお くぼせ ぜぼぞ へうちご るべゆ うずき こ
名前 | ああああ |
---|---|
レベル | 50 |
ゴールド | 0 |
経験値 | 1000000 |
紋章 | なし |
道具 | はやぶさのけん(装備) |
はかいのつるぎ | |
ロトのよろい(装備) | |
ちからのたて(装備) | |
ルビスのまもり | |
じゃしんのぞう | |
きんのかぎ | |
ろうやのかぎ |
ロンダルキアのほこらからエンディングまでの展開をまとめると、以下のようになります。
レベル50とはいえこちらは1人しかいないので、ロンダルキアの強敵とまともに戦っていてはすぐにヒットポイントがなくなっていきます。逃げるにしても、ファミリーコンピュータ版のドラゴンクエストIIでは主人公のレベルが圧倒的に高くても敵から逃げることのできる確率は変わらないので、何回か逃げ損なうととたんにピンチになります。ハーゴンの神殿にたどり着くにも、ある程度運が必要です。
途中にくびかりぞく・タホドラキー・ヒババンゴ・ブラッドハンド・ようじゅつし・マドハンドといった、本来ならテパの村周辺に出現する敵と遭遇することがあるので、そのときが回復のチャンスです。敵の数を減らしてから「ちからのたて」を何回も使ってヒットポイントを最大値近くまで回復します。
まず、「ルビスのまもり」を使う前に前述の裏技を使い、攻撃力を大幅に上昇します。これで敵との戦闘が格段に楽になります。言うまでもありませんが、この技を使った後は「そうび」コマンドを使わないようにします。
2階に出現するフレイムや、3階に出現するバーサーカーからは受けるダメージが比較的小さいので、敵の数を減らして「ちからのたて」を使ってヒットポイントを回復します。
3階からはボス以外の敵は出現しません。
アトラス・バズズ・ベリアルの3匹の中ボス戦では「ちからのたて」で回復しても受けるダメージの方が大きい場合が多いので、長期戦になると不利です。中ボス戦ではいかにヒットポイントを減らさずに中ボスの場所までたどりつくかが勝負の分かれ目となります。
中ボスを倒した後は2階に戻り、危険度の少ない敵と遭遇して「ちからのたて」でヒットポイントを回復します。バーサーカーあたりを使うのが楽でしょう。
また、倒した中ボスはリセットしないかぎり二度と出現しません。いったんハーゴンの神殿から出たり全滅したりしてもかまいません。しかし、中ボスを倒した状態で復活の呪文を聞いて、リセットした後でその復活の呪文で始めても中ボスは復活しています。復活の呪文には中ボスを倒した情報が記録されないからです。中ボスを倒した後はクリアするまでリセットするわけにはいきません。
アトラスは通常攻撃しかしてきませんが、常に2回攻撃をしてくるので、受けるダメージも1回あたり50ポイント前後とかなり大きくなります。攻撃をミスしないかぎり2ターンで倒せるのですが、2ターン目に先手を取って攻撃できないと、瀕死状態になるか、あるいは死亡してしまうでしょう。戦闘に入る前にヒットポイントは最大値付近まで回復しておきましょう。痛恨の一撃を受けたら運が悪かったと思ってあきらめるしかありません。
バズズは主にイオナズン・ザラキ・ベギラマで攻撃してきます。たまにラリホーや通常攻撃(2回攻撃)で攻撃してきます。また、ヒットポイントが少なくなるとベホマを使ってきます。さらに、メガンテを使ってくる確率が高くなります。
メガンテが脅威ですが、最初の数ターンで使ってくることはあまりないようです。短期決戦になるので、メガンテを使われることはおそらくないでしょう。
バズズの攻撃はそれほど激しくないのでアトラスより簡単です。運が良ければ、ほとんどダメージを受けることなく倒せるでしょう。しかしこちらは一人なので、ラリホーなどで眠らされてしまうと目覚めるまで一方的に攻撃を受けることになり、ピンチに陥ります。また、ザラキを使ってくることもあるので気を抜けません。
ベリアルは通常攻撃(2回攻撃)・イオナズン・炎で攻撃してきます。たまにスクルトを使ってきます。また、ヒットポイントが少なくなるとベホマを使ってきます。
こちらは1人しかいないのでイオナズンや炎ではそれほど被害は大きくありません。しかし2回攻撃をしてくることもあり、ベリアルはアトラスと同程度の攻撃力を持っているので、かなりのダメージを受けてしまいます。また、ベホマを使ってくることもあるので長期戦になることもあります。こちらは「ちからのたて」しか回復手段がないので長期戦になると不利です。手早く倒しましょう。
ハーゴンは通常攻撃(2回攻撃)・イオナズン・ラリホー・甘い息で攻撃してきます。ヒットポイントが少なくなると、高い確率でベホマを使ってきます。
ハーゴンの攻撃の中では意外にも直接攻撃が最も大きいダメージになります。ハーゴンはアトラスと同程度の攻撃力を持っているので、2回攻撃をされるとかなりのダメージを受けてしまいます。
ハーゴンはベホマを使ってくるので、なかなかとどめをさすことができずに長期戦になることがよくあります。ベホマを使われたら、こちらも「ちからのたて」を毎ターン使ってヒットポイントを最大値付近まで回復してから再度攻撃をするようにします。
なお、ハーゴンを倒した後はシドーとの戦闘になりますが、ローレシアの王子一人ではハーゴンを倒した後にヒットポイントの回復を行うことができません。よって、できるだけヒットポイントが高い状態でハーゴンにとどめをさすようにしなくてはなりません。以下のように戦闘が運ぶと理想的です。
シドーは通常攻撃・炎で攻撃してきます。また、残りヒットポイントの大小にかかわらず、頻繁にベホマを使ってきます。
シドーの直接攻撃を受けると「いしきをなくした!」となり、眠ってしまうことがあります。こうなると非常に苦しくなります。直後に目を覚ますといったことがない限り、敗北は必至でしょう。
また、シドーは回避率が高いようです。普通に攻撃が当たれば2・3ターンの攻撃で倒せるのですが、攻撃をかわされることが多く、ベホマを使うことも多いので苦戦します。「ちからのたて」で回復しても受けるダメージの方が大きい場合が多いので、こちらのヒットポイントが少なくなってもかまわず攻撃した方がよいでしょう。
シドーを倒した後には、以下のような精霊ルビスからのメッセージが流れます。
どこからともなく うつくしい こえが きこえる……。 *「はかいの かみ シドーは しにました。これで ふたたび へいわが おとずれるでしょう。 *「わたしは いつも あなたたちを みまもっています。 *「おお カミよ!わたしのかわいい しそんたちに ひかりあれ! (画面がフラッシュして、パーティ全員のヒットポイントとマジックパワーが回復) *「さあ おゆきなさい。
ここで、パーティ全員のヒットポイントとマジックパワーが回復しますが、そのときになんといきなり3人パーティになってしまいます(それまで1人分のステータスが表示されていたウィンドウが、3人分のステータスが表示されるウィンドウに変わります)。ちなみに、サマルトリアの王子もムーンブルクの王女もともにレベル1で、初期装備のままです。
というわけで、ローレシアの王子一人だけでエンディングを迎えることはできないようです。
復活の呪文を捏造しない場合は、サマルトリアの王子とムーンブルクの王女が常に死亡した状態で冒険を進めるという形になります。この場合、サマルトリアの王子とムーンブルクの王女に道具を持たせることができるので、「やくそう」や「せいすい」や「キメラのつばさ」などを使えるため、ある程度楽になります。ただし、一人で冒険を進めるのは大変ですし、レベルアップのための経験値稼ぎは非常に面倒です。
装備品Aと装備品Bを用意しておき、以下の手順に従って行動します。
こうすると以下のような状態になります。
この後、以下に挙げる行動をすると上記の状態は解除され、単に装備品Aを装備している状態に戻ります。
これは、「ルビスのまもり」を使う前のハーゴンの神殿を出たときに装備していた武器と防具は入る前のものに戻りますが、攻撃力と守備力は変化しないために起こる現象です。なお、ドラゴンクエストIIではキャラクタの攻撃力と守備力が再計算されるのは上記の2つのタイミングのみです。そのため、装備している武器や防具を「どうぐ」コマンドで捨てても、その時点では攻撃力や守備力は変化しません。
この現象を効果的に利用した裏技として「はかいのつるぎ」の攻撃力を持った「はやぶさのけん」を作るというものがあります。上記の「装備品A」が「はやぶさのけん」で「装備品B」が「はかいのつるぎ」であれば、攻撃力は「はかいのつるぎ」と同じ93で、特殊効果である呪いはかからず、「はやぶさのけん」の特殊効果である2回攻撃が適用されます。