ドラゴンクエストシリーズの歴史

目次

はじめに

ドラゴンクエスト(I)が発売されてから十数年がたち、現在までに数々の続編が製作されました。しばしば「ファイナルファンタジーでは作品ごとに大幅な変化があるが、ドラゴンクエストでは作品間で変化が少ない」などと言われることもありますが、ドラゴンクエストシリーズもいろいろな変化を経て現在に至っています。そこで、ドラゴンクエストシリーズで「定番」となっているアイテムや呪文などが、作品ごとにどのように変化していったのかを調べてみました。

凡例

表中で以下に挙げる略語を使用しています。「HP」は「ヒットポイント」を、「MP」は「マジックパワー」を指します。「FC」は「ファミリーコンピュータ」を、「SFC」は「スーパーファミコン」を、「PS」は「プレイステーション」を、「GB」は「ゲームボーイ」を、「GBC」は「ゲームボーイカラー」をそれぞれ指します。また、「ドラゴンクエスト(I)」から「ドラゴンクエストVII」を、それぞれ「I」〜「VII」と表記しています。例えば「FC III」と表記した場合、ファミリーコンピュータ版のドラゴンクエストIIIを指します。

ゲームボーイ版のドラゴンクエストI・IIとゲームボーイカラー版のドラゴンクエストIIIは、基本的にはスーパーファミコン版の移植であるため、呪文やアイテムの効果などは基本的にはまったく同じです。よって、ゲームボーイ版に特化した事項以外は記述を省略します。また、スーパーファミコン版・ゲームボーイ版の両作品を合わせて「リメイク版」と表記します。

呪文の効果の説明で、具体的なダメージ値の範囲が書かれていますが、これは基本的には『公式ガイドブック』に書かれている値を参考にしています。実際のダメージ値の範囲と異なる場合があります。

作品間の推移

道具

薬草

薬草の効果・価格
作品 価格 効果
FC I 24 ヒットポイントを20〜35ポイント回復。
FC II 15 ヒットポイントを40ポイント程度回復。
FC III 8 ヒットポイントを30ポイント程度回復。
FC IV 8 ヒットポイントを40ポイント程度回復。
SFC V 8 ヒットポイントを35ポイント程度回復。
SFC VI 8 ヒットポイントを30ポイント程度回復。
PS VII 8 ヒットポイントを30〜40ポイント回復。
SFC I 10 ヒットポイントを20〜35ポイント回復。
SFC II 10 ヒットポイントを20〜30ポイント回復。
SFC III 8 ヒットポイントを30〜39ポイント回復。
PS IV 8 ヒットポイントを30〜40ポイント回復。

薬草はドラゴンクエストシリーズの定番アイテムです。IIIまでは回を追うごとに安価になっていきました。全般的に1回使うとなくなってしまう使い捨てのアイテムは安価になっていく傾向があったようです。

Iでは持っている道具の個数に関係なく薬草と鍵は6個まで持つことができました。そのため、呪文を使わずに薬草でダメージを回復することでマジックパワーの消費を少し抑えることができるので、終盤になってもそれなりに役に立ちました。

IIからVの作品では後半ではあまり使うことはなくなります。特に、ファミリーコンピュータ版のII〜IVではキャラクタ1人につき8個しかアイテムを持てないため、装備品や重要アイテムなどを持つと他のアイテムをあまり持てなくなります。よって、薬草などを持っていく余裕がないこともしばしばありました。

VI以降の作品(とリメイク版のIII・IV)では「ふくろ」の中に道具を最大99個(VIIのみ50個)ずつ入れて持ち運ぶことができるので、序盤のみならず終盤まで使えるアイテムです。ダンジョンを攻略するときなどは薬草を大量に買っておき、戦闘終了後にダメージを回復するときに回復呪文のかわりに薬草を使うようにすれば、大幅にマジックパワーを節約できます。

毒消し草

毒消し草の効果・価格
作品 価格 効果
FC I
FC II 8 毒を解毒する。
FC III 10 毒を解毒する。
FC IV 10 毒を解毒する。
SFC V 10 毒を解毒する。
SFC VI 10 毒を解毒する。
PS VII 10 毒を解毒する。
SFC I
SFC II 8 毒を解毒する。
SFC III 10 毒を解毒する。
PS IV 10 毒を解毒する。

IIから毒という状態が導入されたのにともない、毒消し草が登場しました。

IIでは教会で毒を治療するときの寄付金の方が毒消し草の値段よりも安かったのですが、IV以降は逆転して、教会で毒を治療するときの寄付金はレベルにかかわらず一定になりました。毒消し草には携帯性という付加価値があるので、その分高価であるという値段設定は妥当なものといえるでしょう。

キメラの翼

キメラの翼の効果・価格
作品 価格 効果
FC I 70 ルーラと同じ効果。
FC II 80 ルーラと同じ効果。
FC III 25 ルーラと同じ効果。
FC IV 25 ルーラと同じ効果。
SFC V 25 最後に立ち寄った城や町に戻る。
SFC VI 25 ルーラと同じ効果。
PS VII 25 ルーラと同じ効果。
SFC I 24 ルーラと同じ効果。
SFC II 25 ルーラと同じ効果。
SFC III 25 ルーラと同じ効果。
PS IV 25 ルーラと同じ効果。

キメラの翼もドラゴンクエストの定番アイテムです。ルーラの効果はIIIから非常に強力になったにもかかわらず、これもIIIからかなり安くなりました。

なお、キメラの翼の効果はシリーズを通してルーラと同じ効果なのですが、Vだけは異なっていて「最後に立ち寄った城や町に戻る」という効果になっています。Vではルーラの呪文を修得できるのが冒険中盤以降であり、シナリオの都合上、冒険初期の段階で各地の城や町を行き来されると困るのでこのような形になっているのでしょう。

VIIでは、冒険中盤あたりまではなぜかキメラの翼を売っている店がありません。まあ、ルーラは冒険初期の段階で修得できるので特に問題はないのですが……。

聖水

聖水の効果・価格
作品 価格 効果
FC I 38 レベルの低い敵と遭遇しない。
FC II 40 レベルの低い敵と遭遇しない。
FC III 20 レベルの低い敵と遭遇しない。戦闘中に使うと敵1体にダメージ。
FC IV 20 レベルの低い敵と遭遇しない。戦闘中に使うと敵1体にダメージ。
SFC V 20 レベルの低い敵と遭遇しない。戦闘中に使うと敵1体にダメージ。
SFC VI 20 レベルの低い敵と遭遇しない。戦闘中に使うと敵1体にダメージ。
PS VII 20 レベルの低い敵と遭遇しない。戦闘中に使うと敵1体にダメージ。
SFC I 12 レベルの低い敵と遭遇しない。戦闘中に使うと敵1体にダメージ。
SFC II 40 レベルの低い敵と遭遇しない。戦闘中に使うと敵1体にダメージ。
SFC III 20 レベルの低い敵と遭遇しない。戦闘中に使うと敵1体にダメージ。
PS IV 8 ヒットポイントを30〜40ポイント回復。

Iでは聖水は「聖水屋」で売られており、道具屋では売られていませんでした。

リメイク版のIでは買値が12ゴールドなのに対し、なぜか売価は19ゴールドです。この売価はオリジナル版のIと同じです。ちなみにオリジナル版のIでは買値は38ゴールドでした。なお、Iではそれ以降の作品と違い、売却時の値段は購入時の値段の1/2でした。これはリメイク版のIでも同様です。

III以降では戦闘中に敵に対して使うと敵1体にダメージを与えられるようになりました。もっともその威力は小さく、IIIでは30ポイント前後、IV以降では10ポイント前後です。とはいえ、IVではメタルスライムやはぐれメタルなどのメタル系スライムに対してもダメージを与えられるため非常に有用でした。10ポイント程度のダメージでも、メタル系スライムの中でもっともヒットポイントの高いメタルキングをも一撃で倒せます。しかし、IVでメタル系スライムに猛威を振るった聖水も、V以降では与えるダメージが1ポイントとなってしまいました。

リメイク版のI・IIでも戦闘中に聖水を使ってダメージを与えられるようになりました。その威力はIの場合20ポイント前後です。おそらくギラと同程度の威力でしょう。呪文の効かない敵には聖水も効かないので、やはりメタル系スライムにはダメージを与えられません。IIの場合は10〜15程度のダメージを与えられます。ただしアンデッドモンスターにしか効かないようです。当然、メタル系スライムにはダメージを与えられません。

なおスーパーファミコン版のIIでは、はやぶさの剣を装備しているキャラクタが聖水を使うと聖水を2回ふりかけてダメージを与えられます。この現象はおそらくバグでしょう。ゲームボーイ版ではこのような現象はありません。

時の砂

時の砂の効果
作品 効果
FC I
FC II
FC III
FC IV 時間を1ターン分戻す。宿屋に泊まると効果が回復。
SFC V 時間を1ターン分戻す。宿屋に泊まると効果が回復。
SFC VI 時間を戦闘開始時まで戻す。一度使うとなくなる。
PS VII 時間を戦闘開始時まで戻す。何度でも使える。
SFC I
SFC II
SFC III
PS IV 時間を戦闘開始時まで戻す。何度でも使える。

時の砂はIVから登場したアイテムです。IVとVでは、戦闘中に使うと時間を1ターン分戻すことができます。何度使ってもなくならないのですが、一度使うと効果がなくなってしまい、宿屋に泊まるまでは効果が回復しません。

VIからは、戦闘開始時まで時間が戻るようになりました。しかし、1回使うとなくなってしまうアイテムになってしまいました。VIの時の砂は小さなメダルを50枚集めた際に獲得できるのですが、それ以外に入手方法はありません。つまり、1回だけしか入手できないのに1回使うとなくなってしまうという、なんとも使いにくいアイテムでした。従来のシリーズの感覚でなんとなく使ってしまい、後悔した人もいるのではないでしょうか。

VIIとリメイク版のIVでは、なんと何度使っても効果がなくならないようになりました。これは非常に便利です。例えば、パーティに死者が出たらそのつど時の砂を使ったり、逃げるのが成功するまで時の砂を使ってやり直したり、他にもいろいろな使い道があります。とにかく、時の砂を持っているキャラクタが死なない限り、全滅の危険はほとんどないわけです。ゲームバランスを崩しかねないほど強力なアイテムだといえます。

ラーの鏡

ラーの鏡の有無
作品 有無
I ×
II
III
IV
V
VI
VII

ラーの鏡は「真実の姿を映し出す鏡」としてIIで初めて登場しました。ロールプレイングゲームでは「真の姿を暴きだす」といったシチュエーションは多いので、以降もシリーズを通じて登場することになりました。

IIでは犬の姿に変えられたムーンブルクの王女を元の姿に戻すイベントで使います。「4つの橋が見える沼地」というヒントがわからなかった人も多いのではないでしょうか。ちなみに、ゲームボーイ版ではこのヒントが「2つの橋が見える沼地」と変わっています。ゲームボーイでは解像度の関係上、一画面に4つの橋が表示されませんからね。

IIIではサマンオサの王様の正体を暴くイベントで使います。ラーの鏡はサマンオサ南の洞窟の中にあるのですが、この洞窟ではミミックが非常にいやらしい位置に配置されていたり、マホトラを連発するゾンビマスターに苦しめられたりして、ラーの鏡のある場所までいくのは大変でした。

IVではシナリオ中にラーの鏡を使うイベントはなく、モシャスを使って変身したモンスターを元に戻すだけのアイテムになりました。モシャスを使うモンスターはマネマネしかいないのでほとんど使う機会はありませんから、わざわざカジノで2500コインを払ってラーの鏡を入手した人もあまりいないでしょう。シリーズ中で最も扱いが低いと言えます。

Vではニセ太后の正体を暴くイベントで使います。シナリオを進めるのになくてはならない重要アイテムとして復権しました。また、IVと同様にモシャスの効果を打ち消す能力もあります。

VIではムドーと戦う前の場面や、カガミ姫の呪いを解く場面で使用します。もちろん、モシャスの効果を打ち消す能力もあります。

VIIでもラーの鏡は存在しますが、シナリオ中にラーの鏡を使うイベントはありません。そのため、IVと同様に変身したモンスターを元に戻すだけのアイテムになりました。

ボツアイテム「死のオルゴール」

死のオルゴールの有無
作品 有無
FC I ×
FC II
FC III
FC IV ×
SFC V ×
SFC VI ×
PS VII ×
SFC I ×
SFC II ×
SFC III
PS IV ×

IIIとファミリーコンピュータ版のIIにはボツアイテムとして「死のオルゴール」というアイテムがあります。どちらも内部データとして名前が残っているだけで、普通にプレイしていても実際に入手することはできません。

IIには他にも「耳栓」というボツアイテムがありました。おそらく、開発段階では死のオルゴールと耳栓の両方を必要とするイベントがあったのでしょう。

ファミリーコンピュータ版のIIIでは重要アイテムやボツアイテムまでも購入できる裏技があり、これを使えば死のオルゴールなどを入手することができました。しかし、使っても何もおきません。なお、スーパーファミコン版のIIIにも死のオルゴールは存在していて、戦闘中に使うと敵味方全員が死ぬという効果があるようです。やはり、普通にプレイしていても出現しないようです。

また、ファミリーコンピュータ版のIIIには他にもボツアイテムとして「小さなメダル」がありました。このアイテムはご存じの通り、IV以降の作品やリメイク版のIII以降の作品で登場することになりましたが、今後、死のオルゴールが日の目を見ることはあるのでしょうか?

複数の作品に登場する装備品

複数の作品に登場する装備品の攻撃力/守備力
武器 I II III IV V VI VII SFC I SFC II SFC III PS IV 備考
こんぼう 4 8 7 7 9 9 8 4 8 7 7
どうのつるぎ 10 10 12 12 13 13 11 10 10 12 12
はがねのつるぎ 20 30 33 40 33 33 33 20 30 33 40
ロトのつるぎ 40 40 40 40 (注1)
てつのおの 15 40 38 15 38
ほのおのつるぎ 28 87 87 28
ひのきのぼう 2 2 2 2 2 2 2 2 2
くさりがま 15 24 20 20 27 27 15 16 20
いかずちのつえ 15 30 29 29 29 28 45 45 29
ドラゴンキラー 50 77 90 90 95 83 55 79 90
てつのやり 20 28 28 23 20 26 28
はやぶさのけん 5 5 67 67 67 7 5 67
おおかなづち 35 55 30 30 31 40 55
はかいのつるぎ 93 90 110 105 110
まどうしのつえ 8 15 15 27 15
せいなるナイフ 12 14 14 12 14 14
いなずまのけん 80 85 95 82
どくばり 10 0 1 1 1 10 0
てつのつめ 30 38 19 21 21 25 38
もろはのつるぎ 100 99 99 117 115 99
りりょくのつえ 55 55 55 65 55
ゆうわくのけん 50 70 70 70 50
ゾンビキラー 65 80 80 75 67
ふぶきのつるぎ 80 105 105 105 90
おおばさみ 48 47 47
まじんのオノ 90 108 105
ブーメラン 18 15 15 15 19
モーニングスター 33 45 38 43 30
バトルアックス 50 45 49 49 60 50
まふうじのつえ 50 40 40 40 20 50
キラーピアス 5 35 35 45 5
いばらのムチ 14 18 18 18
どくがのナイフ 24 24 24 23 24
てんばつのつえ 35 35 35 35 35
はじゃのつるぎ 45 45 42 42 45
ほのおのつめ 60 53 53 53 60
まどろみのけん 60 55 65 65 60
マグマのつえ 63 63 63 63 63
まじんのかなづち 70 70 115 115 70
こおりのやいば 75 70 62 62 75
きせきのつるぎ 100 100 100 100 100
みなごろしのけん 120 95 95 95 120
てんくうのつるぎ 110 110 110 (注2) (注4)
しゅくふくのつえ 5 15 5 (注5)
せいぎのそろばん 35 110 35
ブロンズナイフ 12 12 9 8
やいばのブーメラン 25 25 26 24
チェーンクロス 28 28 33 27
ウォーハンマー 60 64 64 70
はがねのムチ 65 65 65 40
ほのおのブーメラン 65 65 65 42
ふっかつのつえ 66 66 66 33
グリンガムのムチ 100 145 145 105 135
はかいのてっきゅう 125 125 125 135 115
あくまのツメ 90 90 90 80
デーモンスピア 99 99 99 90
とがったホネ 6 6 6
おおきづち 10 10 14
いしのキバ 12 12 12
いしのオノ 20 19 19
のこぎりがたな 27 54 54
はがねのキバ 35 35 35
ビッグボウガン 110 110 110
メタルキングのけん 130 130 130 (注3)
てつのつえ 22 22
ようせいのけん 85 58
ふっかつのつえ 66 68 33
たけのやり 5 5
プラチナソード 60 60
つきのおうぎ 60 60
まじゅうのキバ 73 73
うみなりのつえ 74 74
らいめいのけん 95 95
たいようのおうぎ 110 110
オリハルコンのキバ 135 135
ホーリーランス 36 35 33
アサシンダガー 30 25
ねむりのつえ 30 32
ルーンスタッフ 39 40
パワーナックル 40 40
けんじゃのつえ 50 50
ドラゴンテイル 52 52
ドラゴンクロウ 85 85
まじゅうのツメ 95 95
バスタードソード 109 105
ぬののふく 2 2 4 4 4 4 4 2 2 4 4
くさりかたびら 10 12 20 18 19 19 20 10 12 20 18
はがねのよろい 24 25 32 35 30 30 34 24 25 32 35
まほうのよろい 24 25 40 60 50 47 24 35 40
ロトのよろい 28 40 28 75 (注1)
てつのよろい 16 25 30 25 25 30 16 25 30
かわのよろい 6 12 12 11 11 11 6 12 12
みかわしのふく 20 20 28 28 28 28 35 23 28
みずのはごろも 35 40 41 55 65 65 65 50 43
たびびとのふく 8 7 7 7 7 8 7
ドラゴンメイル 45 45 50 60 60 45 45
やいばのよろい 55 50 55 55 55 55 50
まほうのほうい 30 38 30 30 35
てつのまえかけ 22 32 22 32
こうらのよろい 16 18 16
はでなふく 28 28 28
てんしのローブ 35 55 35
きぬのローブ 10 13 13 13 20 10
かわのドレス 14 17 17 17 15 14
ふしぎなボレロ 37 37 40 40 30 47
ひかりのドレス 45 45 55 75 90 50
おどりこのふく 8 20 20 20 8
せいどうのよろい 25 21 21 23 25
まじんのよろい 60 85 85 85 60
やすらぎのローブ 33 33 33
ゾンビメイル 49 38 49
てんくうのよろい 70 85 70 (注2)
ステテコパンツ 15 15 8 10 8
かわのこしまき 12 12 12 24
カメのこうら 33 33 33 15
てんしのレオタード 70 95 93 60
ただのぬのきれ 3 3 3
うろこのよろい 15 15 15
けがわのマント 18 18 18
スライムのふく 20 20 20
てつのむねあて 23 23 26
まどうしのローブ 37 37 37
ぎんのむねあて 40 36 36
シルバーメイル 40 43 43
ほのおのよろい 70 70 70
しんぴのよろい 75 75 75
プリンセスローブ 80 85 85
ミラーアーマー 80 95 95
メタルキングよろい 95 115 115 (注3)
エッチなしたぎ 23 23
シルクのビスチェ 35 38
マジカルスカート 45 45 25 45
ドラゴンローブ 95 95 80
きぬのタキシード 10 10
バニースーツ 17 17
きぞくのふく 23 21
あつでのよろい 50 50
せいれいのよろい 55 55
プラチナメイル 66 63
スライムアーマー 70 67
ギガントアーマー 92 92
パーティドレス 40 40
おしゃれなスーツ 40 42
じごくのよろい 65 65
やみのころも 78 78
スパンコールドレス 50 40
かわのたて 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4
てつのたて 10 12 12 16 16 13 10 20 12
みかがみのたて 20 30 55 55 50 20 40
ちからのたて 18 30 40 45 45 40 18 50 40
せいどうのたて 7 11 11 11 7
なげきのたて 35 42 42
うろこのたて 7 7 7 7 12 7
ドラゴンシールド 30 30 30 26 32 30
ふうじんのたて 50 35 35 32 35 50
てんくうのたて 55 60 55 (注2)
おなべのフタ 2 2 2 2
オーガシールド 48 48 45 60
ほのおのたて 40 40 36
メタルキングのたて 70 70 70 (注3)
はめつのたて 0 62 57
まほうのたて 20 18 25
シルバートレイ 18 15
プラチナシールド 25 25
てつかぶと 6 16 16 16 16 16 6 16 16
ふしぎなぼうし 4 8 8 8 8
かわのぼうし 2 2 2 2 3 2 2
てっかめん 25 25 25 25 22 25 25
ターバン 8 12 8
きのぼうし 6 6 6 6 6 6
しあわせのぼうし 15 35 35 37 15
てんくうのかぶと 30 50 30
とんがりぼうし 3 3 5 21
けがわのフード 11 11 11 10
ぎんのかみかざり 14 14 14 14
おうごんのティアラ 45 45 43 0 (注6)
グレートヘルム 45 50 45 45
ヘアバンド 7 7 4 5
かいがらぼうし 7 7 8
やまびこのぼうし 25 25 25
かぜのぼうし 28 28 24
ちりょくのかぶと 40 40 37
メタルキングヘルム 70 70 60 (注3)
シルクハット 20 17 20
うさみみバンド 20 15 15
プラチナヘッド 38 28
ミスリルヘルム 38 32

シリーズを通して複数の作品に登場した装備品をまとめてみました。全作品に登場している装備品は以下のとおりです。

(注1)

I・IIの「ロト」シリーズの装備品と、IIIの「王者の剣」「光の鎧」「勇者の盾」とは別のアイテムとみなしています。また、IIIの「王者の剣(おうじゃのけん)」と、VIIの「王者のつるぎ」とは別のアイテムとみなしています。

(注2)

IV・Vの「天空」シリーズの装備品と、VIの「ラミアスの剣」「オルゴーの鎧」「スフィーダの盾」「セバスの兜」とは別のアイテムとみなしています。

(注3)

IVの「はぐれメタル」シリーズの装備品と、V〜VIIの「メタルキング」シリーズの装備品とは別のアイテムとみなしています。

(注4)

IVの「天空の剣」は、入手した時点では攻撃力が65です。

(注5)

「祝福の杖」はVにもありますが、Vでは誰も装備できないアイテムなので武器とみなしていません。

(注6)

リメイク版IIIの「黄金のティアラ」は、兜ではなくて装飾品の扱いになっています。

呪文

ドラゴンクエストシリーズの呪文体系はIIIである程度確立して、その後はマイナーチェンジが行われているような感じです。逆に言うと、IIIに至るまでは同じ名前の呪文が作品によって大きく違う効果であることも珍しくありません。

ギラ

ギラの効果
作品 MP 効果
FC I 2 敵1体に5〜12ポイントのダメージ。
FC II 2 敵1体に20ポイント程度のダメージ。
FC III 4 敵1グループに20ポイント程度のダメージ。
FC IV 4 敵1グループに20ポイント程度のダメージ。
SFC V 4 敵1グループに20ポイント程度のダメージ。
SFC VI 4 敵1グループに20ポイント程度のダメージ。
PS VII 4 敵1グループに20ポイント程度のダメージ。
SFC I 2 敵1体に16〜20ポイントのダメージ。
SFC II 2 敵1体に20ポイント程度のダメージ。
SFC III 4 敵1グループに20ポイント程度のダメージ。
PS IV 4 敵1グループに20ポイント程度のダメージ。

Iでは敵に5〜12ポイント前後のダメージを与える呪文です。この呪文を覚える頃には(レベル4)、普通に攻撃したときのダメージとそれほど変わらないので、あまり使うことはありませんでした。

リメイク版のIでは与えるダメージが20と倍増しました。武器が貧弱だったり敵の守備力が高いときにはそれなりに有効な呪文になりました。

IIでも位置づけはIと似たようなもので、サマルトリアの王子がこの呪文を覚える頃にはローレシアの王子の攻撃力もかなり高いので、あまり使うことはありません。直接攻撃であまりダメージを与えられないような敵を倒すのに使うことがありました。

III以降ではギラ系の呪文は敵1グループに対する攻撃呪文となり、初めて覚える集団攻撃呪文としてかなり有用なものになりました。

ベギラマ

ベギラマの効果
作品 MP 効果
FC I 5 敵1体に60ポイント程度のダメージ。
FC II 4 敵全体に25ポイント程度のダメージ。
FC III 6 敵1グループに35ポイント程度のダメージ。
FC IV 6 敵1グループに35ポイント程度のダメージ。
SFC V 6 敵1グループに35ポイント程度のダメージ。
SFC VI 6 敵1グループに40ポイント程度のダメージ。
PS VII 6 敵1グループに40ポイント程度のダメージ。
SFC I 5 敵1体に60ポイント程度のダメージ。
SFC II 4 敵全体に60ポイント程度のダメージ。
SFC III 6 敵1グループに35ポイント程度のダメージ。
PS IV 6 敵1グループに35ポイント程度のダメージ。

Iでは最強の攻撃呪文で、敵に60前後のダメージを与えられます。しかし、ベギラマを覚える頃には直接攻撃でもベギラマに匹敵するダメージを与えられますし、効かない場合のリスクや消費マジックポイントのことを考えると、それほど使える呪文とはいえないものでした。

IIでは敵全体に25ポイント前後のダメージを与えます。しかし、サマルトリアの王子がこれを覚える頃には完全に力不足でした。なお、『ドラゴンクエストII 悪霊の神々 公式ガイドブック』の72ページには約30〜50ポイントのダメージを与えることができると書いてありますが、ベギラマのダメージはそれほど大きくありません。

リメイク版では敵全体に60ポイントのダメージを与えます。これはイオナズンに匹敵する威力です。この呪文の修得レベル(レベル18)を考慮に入れればこれくらいの効果でも適切だと思います。とはいえ、ベギラマを使ってくるモンスターがのきなみ強敵になってしまったのには苦労しましたが……。

IIIでは敵1グループに35前後のダメージを与えます。これはなかなか攻撃力が高く有用でした。IVとVでもベギラマの効果は変わりませんでしたが、VIではなぜか与えるダメージが40前後となっています。

また、III以降ではギラ系の呪文は炎で攻撃する呪文ですが、取扱説明書や公式ガイドブックによると、ファミリーコンピュータ版のIとIIでは「雷」で攻撃する呪文ということになっています。III以降から変更されたのは、雷で攻撃するデイン系呪文が追加されたからでしょう。なお、リメイク版のI・IIでは、炎で攻撃する呪文となっています。

メラ

メラの効果
作品 MP 効果
FC I
FC II
FC III 2 敵1体に10ポイント程度のダメージ。
FC IV 2 敵1体に10ポイント程度のダメージ。
SFC V 2 敵1体に10ポイント程度のダメージ。
SFC VI 2 敵1体に15ポイント程度のダメージ。
PS VII 2 敵1体に13ポイント程度のダメージ。
SFC I
SFC II
SFC III 2 敵1体に10ポイント程度のダメージ。
PS IV 2 敵1体に11ポイント程度のダメージ。

IIIで初めて導入された呪文で、敵1体に10ポイント前後のダメージを与えます。IやIIにおけるギラと同様の位置づけの呪文です。与えるダメージが少ないため、少しレベルが上がれば直接攻撃の方がダメージが大きくなるので、冒険をはじめた直後くらいにしか使うことはありませんでした。

VIではなぜか与えるダメージが増加して15前後となっています。とはいえ、VIでは序盤からメラを使えるわけではなく、バーバラが仲間になるまではメラを使えるキャラクタがパーティにいません。ですから、バーバラを仲間にしてメラを使えるようになった頃には直接攻撃の方が大きいダメージを与えられるようになるので、ほとんど使うことはありませんでした。

バギ

バギの効果
作品 MP 効果
FC I
FC II 4 敵1グループに30ポイント程度のダメージ。
FC III 4 敵1グループに15ポイント程度のダメージ。
FC IV 2 敵1グループに15ポイント程度のダメージ。
SFC V 2 敵1グループに15ポイント程度のダメージ。
SFC VI 2 敵1グループに20ポイント程度のダメージ。
PS VII 2 敵1グループに15ポイント程度のダメージ。
SFC I
SFC II 4 敵1グループに16〜36ポイントのダメージ。
SFC III 4 敵1グループに15ポイント程度のダメージ。
PS IV 2 敵1グループに15ポイント程度のダメージ。

IIではムーンブルクの王女が初めて覚える集団攻撃呪文です。修得レベルが4とかなり低く、使用頻度も高い呪文でした。

IIIでは「初めて覚える集団攻撃呪文」の座をギラに奪われてしまいました(パーティに魔法使いがいる場合の話ですが)。僧侶が初めて覚える集団攻撃呪文なのですが、修得レベルがレベル12とやや高いわりにダメージが少ないので、それほど使う機会はなかったように思います。

IVではミネアが修得するのですが、第四章でも第五章でも攻撃呪文のエキスパートであるマーニャがパーティにいるため、やはり使う機会は少なかったように思います。また、第五章のAIバトルでは「ガンガンいこうぜ」でもないかぎり、あまり使うことはありませんでした。

全体的に見て、III以降では僧侶系キャラクタの覚える呪文で、与えるダメージは少なめですがダメージの幅が大きいという特徴があります。

ヒャド

ヒャドの効果
作品 MP 効果
FC I
FC II
FC III 3 敵1体に30ポイント程度のダメージ。
FC IV 3 敵1体に13ポイント程度のダメージ。
SFC V 3 仲間1人に15ポイント程度のダメージ。
SFC VI 3 敵1体に30ポイント程度のダメージ。
PS VII 3 敵1体に30ポイント程度のダメージ。
SFC I
SFC II
SFC III 3 敵1体に30ポイント程度のダメージ。
PS IV 3 敵1体に13ポイント程度のダメージ。

ヒャド系呪文はIIIで初めて導入された呪文で、ヒャドは敵1体に30ポイント前後のダメージを与えます。レベル5で覚えるのですが、その頃は戦士や勇者も攻撃力が低いので守備力の高い敵などに重宝しました。

IVではブライが最初から覚えています。そのためか威力はかなり抑え目に変更され、13ポイント前後のダメージになりました。

Vでは味方キャラクタの中にヒャドを使えるキャラクタはいません。敵だけが使ってくる呪文です。そのため、ヒャドを使ったときの画面効果を見ることができません。

マヒャド

マヒャドの効果
作品 MP 効果
FC I
FC II
FC III 12 敵1グループに100ポイント程度のダメージ。
FC IV 11 敵1グループに100ポイント程度のダメージ。
SFC V 12 敵全体に90ポイント程度のダメージ。
SFC VI 12 敵全体に100ポイント程度のダメージ。
PS VII 12 敵全体に100ポイント程度のダメージ。
SFC I
SFC II
SFC III 12 敵1グループに100ポイント程度のダメージ。
PS IV 11 敵1グループに100ポイント程度のダメージ。

ファミリーコンピュータ版のIIIではなぜか修得レベルがヒャダインと入れ替わっていました。そのため早い段階で修得でき、なおかつ終盤まで使える強力な集団攻撃呪文として役立ちました。

V以降ではヒャダインがなくなったのにともない、マヒャドがグループ攻撃から全体攻撃に変化しました(ヒャダインがマヒャドに統合されたという方が正確でしょうか)。これによりV以降のヒャド系呪文は、ヒャド→ヒャダルコ→マヒャドの順に単体攻撃→グループ攻撃→全体攻撃となりました。

ライデイン

ライデインの効果
作品 MP 効果
FC I
FC II
FC III 8 敵1体に80ポイント程度のダメージ。
FC IV 4 敵1体に80ポイント程度のダメージ。
SFC V 6 敵全体に80ポイント程度のダメージ。
SFC VI 6 敵全体に80ポイント程度のダメージ。
PS VII 6 敵全体に80ポイント程度のダメージ。
SFC I
SFC II
SFC III 8 敵1体に80ポイント程度のダメージ。
PS IV 4 敵1体に80ポイント程度のダメージ。

デイン系呪文はIIIから導入された呪文です。ライデインはデイン系ではじめに修得する呪文ですが、修得レベルが26と高いわりにダメージはメラミと同程度で、さらに消費マジックパワーはメラミ(4ポイント)よりも多いのであまり役に立たない呪文でした。なお、IVでは消費マジックパワーはメラミと同じ4ポイントになりました。

V以降からはダメージは同じですが全体攻撃呪文になりました。V以降のデイン系呪文は、ライデイン→ギガデイン→ミナデインの順に全体攻撃→グループ攻撃→単体攻撃となりました。これは、ちょうどヒャド系呪文と逆です。

ギガデイン

ギガデインの効果
作品 MP 効果
FC I
FC II
FC III 30 敵全体に200ポイント程度のダメージ。
FC IV 15 敵全体に200ポイント程度のダメージ。
SFC V 15 敵1グループに200ポイント程度のダメージ。
SFC VI 15 敵1グループに200ポイント程度のダメージ。
PS VII 15 敵1グループに200ポイント程度のダメージ。
SFC I
SFC II
SFC III 30 敵全体に200ポイント程度のダメージ。
PS IV 15 敵全体に200ポイント程度のダメージ。

ギガデインもIIIから導入された呪文です。IIIでは全呪文の中で最もダメージが大きい上に、敵全体に攻撃できるという非常に強力な呪文でした。IVでは威力はそのままで消費マジックパワーが半分になったので、ますます重宝しました。

V以降からはダメージは同じですが1グループ攻撃呪文になりました。

ミナデイン

ミナデインの効果
作品 MP 効果
FC I
FC II
FC III
FC IV 15 敵1体に330ポイント程度のダメージ。
SFC V 10 敵1体に330ポイント程度のダメージ。
SFC VI 10 敵1体に650ポイント程度のダメージ。
PS VII 10 敵1体に600ポイント程度のダメージ。
SFC I
SFC II
SFC III
PS IV 15 敵1体に330ポイント程度のダメージ。

ミナデインはIVから導入された呪文です。全員のマジックパワーを消費するという特殊な呪文です。ダメージが非常に大きいのですが、敵1体にしか効果がないので主にボスとの戦闘で使用することを想定していたのでしょう。しかし、ミナデインを唱えたターンは他の行動を行うことができないので、あまり使い勝手がよくありません。

ベホイミ

ベホイミの効果
作品 MP 効果
FC I 10 自分のヒットポイントを85〜100ポイント回復。
FC II 5 味方1人のヒットポイントを50ポイント程度回復。
FC III 5 味方1人のヒットポイントを85ポイント程度回復。
FC IV 5 味方1人のヒットポイントを85ポイント程度回復。
SFC V 5 味方1人のヒットポイントを85ポイント程度回復。
SFC VI 5 味方1人のヒットポイントを85ポイント程度回復。
PS VII 4 味方1人のヒットポイントを80ポイント程度回復。
SFC I 8 自分のヒットポイントを100ポイント弱回復。
SFC II 5 味方1人のヒットポイントを85〜100ポイント回復。
SFC III 5 味方1人のヒットポイントを85ポイント程度回復。
PS IV 4 味方1人のヒットポイントを85ポイント程度回復。

Iでは最高の回復呪文です。終盤の戦闘では不可欠でした。

IIではなんとムーンブルクの王女が最初から覚えています。しかしそのためか回復力はかなり抑えられており、50ポイント前後です。このため、ベホマを覚える直前あたりでは手頃な回復呪文がなくて苦労しました。

リメイク版のIIではIと同様に80〜100ポイント回復できます。

スクルト

スクルトの効果
作品 MP 効果
FC I
FC II 2 味方全員の守備力を戦闘開始時の守備力の1/8程度上げる。
FC III 4 味方全員の守備力を戦闘開始時の守備力の1/2上げる。
FC IV 4 味方全員の守備力を戦闘開始時の守備力の分だけ上げる。
SFC V 3 味方全員の守備力を戦闘開始時の守備力の1/2上げる。
SFC VI 3 味方全員の守備力を戦闘開始時の守備力の1/4上げる。
PS VII 3 味方全員の守備力を戦闘開始時の守備力の1/4上げる。効果は数ターン持続。
SFC I
SFC II 2 味方全員の守備力を戦闘開始時の守備力の1/2上げる。
SFC III 4 味方全員の守備力を戦闘開始時の守備力の1/2上げる。
PS IV 4 味方全員の守備力を戦闘開始時の守備力の分だけ上げる。効果は数ターン持続。

IIで初登場した呪文です。IIでは効果が非常に低いため気休め程度にしかなりませんでした。重ねがけをしても戦闘開始時の守備力の1/2までしか上げることができませんでした。

III以降はかなり効果が高くなったので、役に立つ呪文になりました。IVではさらに効果が高くなりました。また、重ねがけをすれば守備力を999まで上げることができました。

V以降はやや効果が低くなり、重ねがけしたときの制限が少し厳しくなりました。Vでは重ねがけしても元の守備力の2倍または512までしか上がらなくなりました。VIではさらに効果が低くなり、重ねがけしても元の守備力プラス200までしか上がらなくなりました。

ちなみに、リメイク版のIIではさすがにオリジナル版よりも効果が大きくなり、III以降と同程度の効果になりました。ただし、重ねがけしても元の守備力の2倍または255までしか上がりません。

VIIとリメイク版のIVでは数ターン経過すると効果が消滅します。スクルトに限らず、VII(とリメイク版のIV)では補助呪文全般の効果が数ターン経過すると消滅するようになりました。

ルカナン

ルカナンの効果
作品 MP 効果
FC I
FC II 2 敵全体の守備力を戦闘開始時の守備力の1/8程度下げる。
FC III 4 敵1グループの守備力を現在の守備力の1/2下げる。
FC IV 4 敵1グループの守備力を現在の守備力の1/2下げる。
SFC V 4 敵1グループの守備力を戦闘開始時の守備力の1/2下げる。
SFC VI 4 敵1グループの守備力を戦闘開始時の守備力の1/4下げる。
PS VII 4 敵1グループの守備力を戦闘開始時の守備力の1/4下げる。効果は数ターン持続。
SFC I
SFC II 2 敵1グループの守備力を戦闘開始時の1/2下げる。
SFC III 4 敵1グループの守備力を現在の守備力の1/2下げる。
PS IV 4 敵1グループの守備力を戦闘開始時の守備力の1/2下げる。効果は数ターン持続。

IIで初登場した呪文です。IIでは敵全体に効果があるものの、効果が非常に低いため気休め程度にしかなりませんでした。重ねがけをしても戦闘開始時の守備力の1/2までしか下げることができません。

III以降では範囲が敵1グループになったものの、かなり効果が大きくなったので役に立つ呪文になりました。IVでも効果は同じなのですが、AI戦闘ではブライがルカナンをほとんど使わないため、かなり影の薄い呪文でした。

モンスター

スライム

スライム一覧
モンスター名 I II III IV V VI VII PS IV
スライム
スライムベス × ×
メタルスライム
合体スライム × × × ×
合体メタルスライム × × × × × × ×
スライムLv8 × × × × × × ×
メタルスライムS × × × × × × ×
バブルスライム ×
はぐれメタル ×
ホイミスライム ×
ベホイミスライム × × × × × ×
ベホマスライム × ×
しびれくらげ × ×
しびれスライム × × × × × × ×
スライムつむり × × × × ×
マリンスライム × × × × ×
キングスライム × × ×
スライムベホマズン × × ×
メタルキング × × ×
スライムナイト × × × × ×
メタルライダー × × × × ×
ぶちスライム × × × × × × ×
ぶちスライムベス × × × × × × ×
ぶちベホマラー × × × × × × ×
ドラゴスライム × × × × × × ×
スライムブレス × × × × × × ×
ドラゴメタル × × × × × × ×
ゴールデンスライム × × × × × × ×
スライムエンペラー × × × × × × ×
プラチナキング × × × × × ×

Iではスライム系モンスターは3種類しか存在しませんでした。このうち、スライムとメタルスライムはシリーズすべての作品に登場しています。また、I以降のシリーズではさまざまな形状のスライム系モンスターが登場しますが、Iで登場したのはおなじみの「水滴」タイプのものです。

IIでは新たに「液体」タイプと「くらげ」タイプのスライムが加わりました。また、シリーズを通じて人気(ニーズ?)の高いはぐれメタルも登場しました。

なお、ファミリーコンピュータ版のIIに登場するメタル系スライムは、他の作品に登場するものと比較してかなり守備力が低めになっています。その分(他の作品と比較して)ヒットポイントも多いのですが、ローレシアの王子の攻撃力がある程度高ければ一撃で倒せるようになります。

IIIに登場した新種のスライムは、巻き貝のような殻をかぶったスライムつむりです。同系統のモンスターとしてマリンスライムもいます。どちらも守備力が高めです。IIIで登場して以来、IV・Vでは登場しなかったのですが、VIで復活しました。

IVではキングスライムが登場しました。それにともない、合体スライムも加わりました。キングスライムといえば、あの合体シーンが印象に残っている人も多いでしょう。

また、IVではホイミスライム・ベホマスライムに加えてベホイミスライムが新たに登場しました。しかしV以降では登場せず、IVのみに登場するマイナーなモンスターとなっています。

Vではスライムナイトが登場しました。モンスターとしてよりも仲間キャラクタとしての印象が強い人も多いのではないでしょうか。仲間になるモンスターの中で「使える」モンスターの代表格でしょう。なお、同系統のモンスターとしてメタルライダーというモンスターもいます。メタルスライムに乗っているのですが、守備力・経験値ともに低く、これといった特徴のないモンスターです。

VIでは新たに「ぶちスライム」という種類のスライムが登場しました。ぶちスライムは普通のスライムより弱いので、ここにきてついに「スライム = 最弱」の図式が崩れることになりました。

また、VIではスライムベホマズンの色が黄緑色から紫色になりました。おそらくベホマスライムの色に合わせたのでしょう。しかし、VIIで元の黄緑色に戻りました。

VIIで新たに登場したのは、スライムとドラゴンの混血の「ドラゴスライム」系と、「ゴールデンスライム」系のスライムです。いずれも『ドラゴンクエストモンスターズ』からの登場です。

VIIでも合体スライムとその合体シーンは健在です。VIと同様に、合体スライムと合体メタルスライムの2種類がいます。VIIではこれらの合体スライムに名前がついて、それぞれ「スライムLv8」「メタルスライムS」となりました(表中では別のモンスターの扱いにしています)。これまでは、合体スライムは姿も名前も通常のスライムと同じだったのですが、簡単に区別がつくようになりました。

また、II以降のシリーズで常に登場していたしびれくらげですが、VIIには登場しないようです。代わりに、ほとんど同じ姿の「しびれスライム」が登場します。こちらの方は、同じモンスターと見るべきか、違うモンスターとみなすべきか判断に迷います。海以外の場所に出現しますし……。

リメイク版のIVでは、VIIに登場したプラチナキングが登場します。

複数の作品に登場するモンスター

複数の作品に登場するモンスター一覧
モンスター名 I II III IV V VI VII GBC III PS IV 備考
スライム
メタルスライム
ドラキー × × × × × ×
スライムベス × ×
キメラ × × × (注3)
メイジキメラ × × × (注3)
まほうつかい × × × × × (注1)
ゴールドマン × × × × × (注1)
ダースリカント × × × × × × (注1)
だいまどう × × × × × (注1)
ゴーレム × × × × × ×
ストーンマン × × × × × ×
ゴースト × × × × × × ×
ドラキーマ × × × × × × ×
まどうし × × × × × × × (注1)
キースドラゴン × × × × × × ×
ダースドラゴン × × × × × × ×
バブルスライム ×
ホイミスライム ×
はぐれメタル ×
しびれくらげ × ×
マドハンド × × ×
くさったしたい × × ×
ミイラおとこ × × × × × ×
マミー × × × × × ×
どろにんぎょう × × × × ×
パペットマン × × × × ×
リビングデッド × × × × ×
キラーマシーン × × × × × × (注4)
あくましんかん × × × × × × (注1)
おおねずみ × × × × × × ×
おばけねずみ × × × × × × ×
ダークアイ × × × × × × ×
メタルハンター × × × × × × ×
ホークマン × × × × × × ×
ガーゴイル × × × × × × ×
オーク × × × × × × ×
オークキング × × × × × × ×
ギガンテス × × × × × × ×
シルバーデビル × × × × × × ×
バズズ × × × × × × ×
ブラッドハンド × × × × × (注5)
ようじゅつし × × × × × × × (注1)
きとうし × × × × × × ×
くびかりぞく × × × × × × ×
バーサーカー × × × × × × ×
ベホマスライム × ×
ばくだんいわ × ×
ひとくいばこ × ×
ミミック × ×
ミニデーモン × × ×
さまようよろい × × × ×
キラーアーマー × × × × ×
おどるほうせき × × × ×
うごくせきぞう × × × × × (注1)
わらいぶくろ × × × × ×
いっかくうさぎ × × × × × ×
アルミラージ × × × × × ×
おばけきのこ × × × × × ×
マーマン × × × × × ×
マーマンダイン × × × × × ×
ガメゴン × × × × × ×
ガメゴンロード × × × × × ×
カンダタ × × × × × ×
カンダタこぶん × × × × × ×
スライムつむり × × × × × ×
マリンスライム × × × × × ×
ギズモ × × × × × ×
ヒートギズモ × × × × × ×
フロストギズモ × × × × × ×
シャドー × × × × × ×
ホロゴースト × × × × × ×
トロル × × × × × ×
ボストロール × × × × × ×
キングマーマン × × × × × × (注1)
だいまじん × × × × × ×
どくどくゾンビ × × × × × ×
キングスライム × × × ×
スライムベホマズン × × × ×
メタルキング × × × ×
合体スライム × × × × ×
アンクルホーン × × × × ×
ヘルバトラー × × × × ×
どぐうせんし × × × × × (注1)
ミステリードール × × × × × ×
つちわらし × × × × × ×
スモールグール × × × × × ×
ビッグスロース × × × × × ×
ほのおのせんし × × × × × ×
ブリザードマン × × × × × ×
アームライオン × × × × × ×
エビルスピリッツ × × × × × ×
みみとびねずみ × × × × × × (注1)
とさかへび × × × × × ×
さそりアーマー × × × × × ×
エレフローパー × × × × × ×
ダゴン × × × × × ×
とつげきうお × × × × × ×
くびながりゅう × × × × × × (注1)
しにがみきぞく × × × × × ×
てっきゅうまじん × × × × × ×
グリーンドラゴン × × × × × ×
アンドレアル × × × × × ×
ピラニアン × × × × × × (注2)
マッドルーパー × × × × × × × (注2)
じごくのざりがに × × × × × × × (注2)
たこまじん × × × × × × × (注2)
しびれあんこう × × × × × × × (注2)
シーライオン × × × × × × × (注2)
シャークマンタ × × × × × × × (注2)
フライングデス × × × × × × × (注2)
スライムナイト × × × × × ×
メタルライダー × × × × × ×
あくまのつぼ × × × × × ×
ツボック × × × × × ×
メガザルロック × × × × × ×
オーシャンキング × × × × × × × (注1)(注2)
サボテンボール × × × × × × ×
ダンスニードル × × × × × × ×
ドロヌーバ × × × × × × ×
ジェリーマン × × × × × × ×
しにがみへい × × × × × × ×
リザードマン × × × × × × ×
ベビーニュート × × × × × × ×
メラリザード × × × × × × ×
ドラゴンキッズ × × × × × × ×
エビルプラント × × × × × × × (注1)
ゴンズ × × × × × × ×
いどまねき × × × × × ×
いどまじん × × × × × ×
ランプのまおう × × × × × ×
リップス × × × × × × ×
ブチュチュンパ × × × × × × ×
おばけうみうし × × × × × × ×
ベビーゴイル × × × × × × ×
デビルアーマー × × × × × × ×
ヘルビースト × × × × × × ×
レッサーデーモン × × × × × × ×
ホラーウォーカー × × × × × × ×
アイアンタートル × × × × × × ×
あんこくまどう × × × × × × × (注1)
のろいのランプ × × × × × × ×
グラコス × × × × × × ×
パンドラボックス × × × × × ×
ダークアーマー × × × × × × ×
サンダーサタン × × × × × × ×
ゲリュオン × × × × × × ×
デーモンレスラー × × × × × × ×
ヌーデビル × × × × × × ×
じごくの番犬 × × × × × × ×
ランガー × × × × × × ×
にじくじゃく × × × × × × ×
オーガキング × × × × × × ×
ギガントドラゴン × × × × × × ×
ネクロバルサ × × × × × × ×
あんこくつむり × × × × × × ×
キルゲータ × × × × × × ×
プラチナキング × × × × × × ×
フロッグキング × × × × × × ×
ギャオース × × × × × × ×

シリーズを通して複数の作品に登場したモンスターをまとめてみました。全作品に登場しているモンスターは、スライムとメタルスライムだけです。また、こうして見ると、Vでは以前の作品のモンスターがかなり登場していることがわかります。

なお、「VにIとIIのモンスターが多く登場したのは、Vの後に発売されたスーパーファミコン版I・IIの宣伝の意味もある。同様の理由でにVIにもIIIのモンスターが多く登場する」という話もあります。

リメイク版のIVでは、オリジナル版のボツモンスターが復活しています。表には載せていませんが、リメイク版の「マリンワーム」は、オリジナル版のボツモンスター「マリンリバイアサン」が元になっています。

(注1)

名前は同じですが、グラフィックはかなり違います。

(注2)

「△」のマークは、内部データには存在するが実際には登場しないボツモンスターであることを示します。

(注3)

VIでは「キメラ」が「キメイラ」となっています。

(注4)

Vとリメイク版のIIでは「キラーマシン」で、VIでは「キラーマシン2」です。

(注5)

VIだけは「ブラッディハンド」です。

まだらくも

そのむかし、まだドラゴンクエストIIが開発中であった頃、ビデオゲーム雑誌の特集記事で、戦闘画面に「まだらくも」というモンスターが出現している写真が載ったことがありました。しかし開発中にボツになったのか、製品版ではまだらくもは出現しませんでした。

IIIには「まだらクモ糸」という敵1グループの素早さを下げるアイテムがありますが、これはIIの「まだらくも」のなれの果てではないかと私は勝手に推測しています。:-)

(もしかしたら、「カンダタ」がらみで『蜘蛛の糸(芥川龍之介)』が関係しているのかもしれませんが)

システム

作戦

IVの作戦一覧
Vの作戦一覧
VIの作戦一覧
VIIの作戦一覧
リメイク版IVの作戦一覧

IVはAI戦闘が初めて導入された作品ですが、その評判はあまり芳しいものではありませんでした。IVのAIはシリーズ中唯一「学習して成長する」のですが、「学習が反映されるのは戦闘終了時」という仕様(推測)でした。そのため、ボス戦などの長期戦になりやすい戦闘において、効かない呪文を連発するといった無駄な行動をすることが多く、プレイヤーのいらだちを招く原因となっていました。「ボス戦でザキ・ザラキを連発するクリフト」などは今でも語り種になっているほどです。

さて、IVのAI戦闘においてなんといっても特徴的な作戦は「いろいろやろうぜ」でしょう。状況をまったく考えずに意味もなくアイテムやら呪文やらを使うため、まともに戦闘する際にはほとんど役に立つことはない作戦です(メタル系スライムに聖水を使う際には非常に役に立ちますが)。IVでは仲間に直接命令することができないため、仲間キャラクタにしか使えない呪文やアイテムの効果を知るために用意された作戦なのでしょう。『「いろいろやろうぜ」だけでクリアする』なんてのもおもしろいかもしれませんね。

Vでは「めいれいさせろ」が追加されて「いろいろやろうぜ」がなくなりました。IVでの「仲間に直接命令できない」という仕様は(AI戦闘のアルゴリズムも相まって)やはり不評だったのでしょう。ただし、Vでは「仲間モンスターの賢さが20未満だと命令に従わないことがある」という要素がありますので、仲間(モンスター)を完全に制御できるわけではありません。

なお、VではAI戦闘が大幅に強化されました。とはいえ、アルゴリズム的にはIVとさほどの変化はなく、「最初から敵の弱点や最大ヒットポイントなどを知っている」というアプローチでAI戦闘の強化がなされました。会ったことのない敵の弱点を最初から知り尽くしているのですから強いのも当然でしょう。また、これによって「戦闘を通じて敵の弱点や最大ヒットポイント値などを学習する」という要素はなくなりました(推測)。

VIでは「じゅもんせつやく」がなくなってしまいました。かわりに追加されたのは「おれにまかせろ」です。主人公だけが攻撃を行い、他のキャラクタは回復・補助呪文を使うか防御するという作戦です。無駄な行動が多く、パーティ全体の攻撃力も低下してしまうため、役に立つとはあまり言えない作戦でしょう(IVの「いろいろやろうぜ」ほどではありませんが)。

また、VIからは「戦闘中に使うと特別な効果のある道具」を使わないようになってしまいました。破邪の剣を持っているにもかかわらず、わざわざギラを唱えたりするのは勘弁してほしいところです。

VIIのAI戦闘は、作戦の種類やアルゴリズムの面ではVIと大差ありません。しかし、VIIでは仲間キャラクタごとに別々の命令を出せるようになりました。それにともない、「みんながんばれ」が「バッチリがんばれ」と名前が変わりました。

リメイク版IVでの作戦も基本的にはVIIと同じですが、勇者の性別が女性の場合は一部の作戦名が変わります。VIIそのままの作戦名だと女勇者なのに「おれにまかせろ」となってしまうので、作戦名を変更する必要があったのでしょう。

リメイク版IVのAI戦闘で特筆するべき点は、クリフトの「ザラキ」です。リメイク版IVのAI戦闘アルゴリズムは基本的にはVIIと同等のもので、最近のシリーズ同様に「効かない呪文は最初から使わない」「臨機応変に立ち回る」といった性質があります。しかし、クリフトだけは違っていて、ザラキが効かないモンスター(メタル系スライムなど)にもザラキを連発しますし、敵がマホカンタを使ってもお構いなしにザラキを使います。

乗り物

乗り物一覧
作品 陸上 海上 高空 低空 海底
I
II
III ラーミア
IV 馬車 気球
V 馬車 マスタードラゴン・天空城 魔法のじゅうたん
VI 馬車 船・ひょうたん島 ペガサス 魔法のじゅうたん・空とぶベッド あわあわ船
VII 飛行石 魔法のじゅうたん

ドラゴンクエストシリーズに登場した乗り物についてまとめてみました。作品を重ねるにつれて、移動できる範囲が広がっているのがわかります。

預かり所

預かり所の有無
作品 有無
FC I ×
FC II ×
FC III
FC IV
SFC V
SFC VI ×
PS VII ×
SFC I
SFC II
SFC III ×
PS IV ×

預かり所はファミリーコンピュータ版のIIIではじめて登場しました。お金と道具を預けることができ、お金は最大で255000ゴールドを預けることができます。しかし、道具を引き取るときに預かり料としてその道具の売価の1/10を払う必要があったため、高価な道具を預けるのはためらわれるものでした。ルイーダの酒場に「にもつ」とか「そうこ」といった名前のキャラクタを用意して、荷物番にしたプレイヤーも多かったのではないでしょうか。:-)

IVでは預かり料は一律10ゴールドに値下げされました。そしてVでは無料になりました。また、IVとVではお金は最大で999000ゴールドまで預けることができるようになりました。

VI以降の作品(とリメイク版のIII・IV)では「ふくろ」が登場したので、アイテムを無尽蔵に携帯できるようになりました。よって、預かり所にアイテムを預ける必要がなくなったので、預かり所は『愛と信頼のゴールド銀行』になりました。

昼と夜の概念

昼と夜の概念の有無
作品 有無 備考
FC I ×
FC II ×
FC III
FC IV
SFC V
SFC VI × (注1)
PS VII × (注2)
SFC I ×
SFC II × (注3)
SFC III
PS IV

IIIには時間の概念があり、昼と夜とで様子が大きく違う町などがありました。このシステムはIVやVにも取り入れられましたが、VI以降の作品では廃止されて、特別な場合を除いて夜の状態はなくなりました。

(注1)

VIではライフコッドでの村祭りやカルカドで幸せの国に行くイベントの際などに夜になる場面があります。

(注2)

VIIでは、ユバールの村・吹きだまりの町などのイベントの際に夜になります。

(注3)

スーパーファミコン版のIIではエンディングの時に夜になり、花火があがります。ちなみに、ゲームボーイ版のIIでは夜になりません。

その他

主人公のせりふ

ドラゴンクエストシリーズには「基本的に主人公はせりふを言わない」という特徴があります。しかし、まったくせりふがないわけではなく、わずかながら主人公がせりふを言う場面があります。それらは、ストーリーに大きくかかわる場面であったり、どうでもいいような場面であったりとさまざまです。

Iではエンディングで(以降の作品にかかわる)重要なせりふを言います。

いいえ。 わたしの おさめる
くにが あるなら それは
わたしじしんで さがしたいのです

(『ドラゴンクエスト(ファミリーコンピュータ版)』エンディング時にラダトーム城にて)

エニクス「いいえ もし私の
治める国があるなら それは
私自身で さがしたいのです。

(『ドラゴンクエスト I・II(スーパーファミコン版)』Iのエンディング時にラダトーム城にて)

エニクス「いいえ もし私の
治めるくにがあるなら…

エニクス「それは
私じしんで さがしたいのです。

(『ドラゴンクエスト I・II(ゲームボーイ版)』Iのエンディング時にラダトーム城にて)

IIでは「ぱふぱふ」のイベント中に主人公のせりふがあります。このせりふはリメイク版でも同じです。

えにくす「ぱふ ぱふ ぱふ。

(『ドラゴンクエストII』ルプガナの町にて)

また、MSX版のIIには「ムーンブルクの王女があぶない水着を着る」というイベントがあり、このときに主人公のせりふがあります。

あきなは はずかしそうに
ハイレグのみずぎを みにつけた。

えにくす「おおっ、あきなちゃん!

(『ドラゴンクエストII(MSX・MSX2版)』ラダトーム城の武器屋の2階にて)

余談ですが、このイベント中のメッセージは、句読点の打ち方・せりふの改行位置・単語の間のスペースの開け方などが不自然で、私にはどうも「せりふ担当者」以外の人がこっそり追加したイベントであるかのような印象を受けます。参考までに、このイベントの一連のメッセージを示します。

*「なんと、うしろの  おじょうさんは
ぬののふくさえもっていないではないか

*「こんなにかわいいのに、
きるものもないとは、かわいそうじゃ

*「わたしのたからものを
 さしあげよう。ささ、
 このハイレグのみずぎをきなされ

あきなは はずかしそうに
ハイレグのみずぎを みにつけた。

えにくす「おおっ、あきなちゃん!

アーサー「こいつは、さいこうだぜ!

*「ああ、 このとしまで、
 いきててよかったわい!

あきな「そんなにみないで。
    わたし…
      はずかしい…

(『ドラゴンクエストII(MSX・MSX2版)』ラダトーム城の武器屋の2階にて)

IIIでも「ぱふぱふ」のイベント中にやはり主人公のせりふがあります。このせりふはリメイク版でもほとんど同じです。

えにくす「うぷぷぷふ

えにくす「こ これは……

えにくす「き きもちいい……

(『ドラゴンクエストIII(ファミリーコンピュータ版)』アッサラームの町にて)

また、男性のキャラクタを前から1番目にして、主人公を前から2番目にしておくと、ぱふぱふ娘の家の前で主人公に話しかけることができます。リメイク版ではせりふはありません(エニクスは ふくざつな思いで ○○を 見つめた。エニクスは だまって ○○を もとどおり 仲間に くわえた。)。

おまえ すきだなあ。
あとで はなしを きかせて
くれよなっ。

(『ドラゴンクエストIII(ファミリーコンピュータ版)』アッサラームの町にて)

いやーねえ ふけつよお。

(『ドラゴンクエストIII(ファミリーコンピュータ版)』アッサラームの町にて)

えにくす「どうだった?

○○「……………。

えにくす「そうか。じゃあ いこう!

(『ドラゴンクエストIII(ファミリーコンピュータ版)』アッサラームの町にて)

えにくす「なにも ききたくないわ!
さあ いきましょう!

(『ドラゴンクエストIII(ファミリーコンピュータ版)』アッサラームの町にて)

また、地球のへそではパーティの中の一人が洞窟に入ることになりますが、そのときに主人公を前から2番目にしておけば、洞窟に行く前と帰ってきたときに主人公がしゃべることになります。このせりふはリメイク版でもほとんど同じです。

がんばってこいよ!

(『ドラゴンクエストIII(ファミリーコンピュータ版)』ランシールの村の神殿にて)

しんぱいだわ……。
はやくかえってきてね。

(『ドラゴンクエストIII(ファミリーコンピュータ版)』ランシールの村の神殿にて)

えにくす「しんぱい したぜっ!
でも ぶじで よかった!

(『ドラゴンクエストIII(ファミリーコンピュータ版)』ランシールの村の神殿にて)

えにくす「かえってきてくれたのね?
おかえりなさい!

(『ドラゴンクエストIII(ファミリーコンピュータ版)』ランシールの村の神殿にて)

勇者の性別が女性の場合、パーティに男性の遊び人がいると戦闘中にお尻を触られることがあります。その際にせりふを言います。

○○は いきなり
エニクスの おしりを さわった!

エニクス「きゃーっ なにすんのよ!

(『ドラゴンクエストIII』戦闘中にて)

リメイク版のIIIでは、小さなメダルを使ったときにせりふを言うことがあります。

エニクスは ちいさなメダルを
ゆびで はじいた!

エニクス「わっ!

メダルは エニクスに
当たってしまった!

エニクスは 照れながら
メダルを ひろった。

(『ドラゴンクエストIII(スーパーファミコン版)』より)

エニクスは ちいさなメダルを
ゆびで はじいた!

エニクス「きゃっ!

メダルは エニクスに
当たってしまった!

エニクスは 照れながら
メダルを ひろった。

(『ドラゴンクエストIII(スーパーファミコン版)』より)

IVでは主人公がメダパニにかかって混乱したときに、せりふを言うことがあります。

えにくす「ぼくちゃん スライムよ。うふふふ……。

(『ドラゴンクエストIV』戦闘中にて)

えにくす「あたしスライムなの。うふふふ……。

(『ドラゴンクエストIV』戦闘中にて)

Vではゴールドオーブを入手するときのイベントに関連して、「未来からやって来た(青年の)主人公」のせりふと、「過去の(幼年時代の)主人公」のせりふがあります。前者は、後々の伏線となる重要なせりふです。

うん? 坊やは
ステキな 宝石を
持っているな。

その 宝石を ちょっと
見せてくれないか?

本当に きれいな宝石だね。
はい ありがとう。

坊や お父さんを
大切にしてあげるんだよ。

坊や どんなツライことが
あっても 負けちゃダメだよ。

(『ドラゴンクエストV』サンタローズの村(幼年時代)の教会の前にて)

エニクス「あっ お兄さんのことだね
教会のお姉さんが いってた
ステキな人って。

エニクス「え? ボクのもってる
きれいな宝石を
見せてくれないかって?

エニクス「うん いいよ。
お兄さん わるい人じゃ
ないみたいだし。

エニクス「でも ちょっとだけだよ。

エニクス「ねっ すごく きれいな
宝石でしょ。

エニクス「うん。 どんなに
ツライことが あっても
ボクは 負けないよ。

エニクス「ボロンゴ いこ!

(『ドラゴンクエストV』サンタローズの村(幼年時代)の教会の前にて)

また、主人公がメダパニにかかって混乱したときにもせりふを言うことがあります。

エニクスは とつぜん
スライムに からみはじめた!

エニクス「ようようよう! このオレを
 だれだと おもってるんでい! しゃらくせえやい!

しかし スライムには
ムシ されてしまった…。

(『ドラゴンクエストV』戦闘中にて)

エニクスは すわりこんで ぶつぶつ いいだした!
エニクス「スライムくん。
 まあ おちついて そこに すわりなさい。

エニクス「そもそも たがいを きずつける
 たたかいなどと いうものは… くどくど…。
しかし スライムは きいていない!

(『ドラゴンクエストV』戦闘中にて)

エニクスは あしもとの こいしを ひろって
モンスターに なげつけた!

エニクス「なんだってんだ! このーっ このーっ!!

(『ドラゴンクエストV』戦闘中にて)

エニクスは ちからまかせに
スライムを つかんで なげとばした!
エニクス「ぬおおおおおーっ!

(『ドラゴンクエストV』戦闘中にて)

エニクスは なんだか かなしくなってしまった!
エニクスは なきだした!
エニクス「うえーん うえーん うっうっうっ…。

(『ドラゴンクエストV』戦闘中にて)

VIでは主人公が「合体」するときのイベントで、「現実の世界の主人公」のせりふがあります。

ランド「おい エニクス いつまで
ターニアのとこに いるつもりだ。

エニクス「でも ランド……
そんなこと いわれても ボク
どうしたら いいか……

ランド「おまえが ころがりこんで
ターニアは めいわくしてるに
ちがいないんだ。

エニクス「でも ターニアは
とても やさしくしてくれる……

ランド「あいつは ひとが
よすぎるんだよっ。

ランド「ともかく その おひとよしに
つけこんで いつまで
あまえてるんだって ことだ。

エニクス「でも ほかに いくところが…。

ランド「そんなことは オレの
知ったこっちゃ ないね。

ランド「なんなら このオレが
ちからづくで 村から
追いだしても いいんだぜ。

エニクス「……………。

ランド「なんだよ?
その うらめしそうな目は?

ランド「いいたいことが あるなら
いってみなよ! 男だろ。

エニクス「……………。

ランド「けっ。まったく いくじのない
ヤローだぜ。ターニアも どうして
こんな男を……。

ランド「じゃあ オレは いくからな。
オレの話を よく おぼえておけよ。

エニクス「……………。

(『ドラゴンクエストVI』やまはだの道(下の世界)にて)

村長「え? え? え?

村長「なんじゃ? なにごとじゃ?
なぜ エニクスが ふたり いる!

エニクス「ボクが もうひとり……。

村長「ななな なにが なんだか
わからんぞ! ううう……
いかん 熱が……

村長「これは 夢じゃな!
そうに ちがいない!
夢なら ねて見なくては……

エニクス「キ キミは いったい……
うっ!!

エニクス「イヤだっ!

エニクス「イ…イヤだーっ!

(『ドラゴンクエストVI』ライフコッドの村(下の世界)の村長の家にて)

エニクス「…………。わかってるよ。
キミも きっと エニクスという
名前なんだろう。

エニクス「さっき キミに ふれたとき
すべてが わかった気がする。

エニクス「たぶん ボクとキミは
ひとりの人間だった。
ムドーと初めて戦うまではね。

エニクス「そして ムドーが
ほろびた今 キミとボクは
ひとつに もどらなければならない。

エニクス「わかっているさ。

エニクス「でも こわいんだよ。

エニクス「ふたりが ひとりになった時
キミが ボクになるのか
ボクが キミになるのか……。

エニクス「もしかしたら
その どちらでもない べつの人に
なってしまうのか……。

エニクス「ボクは 今の生活が
気にいってるんだ。だから……。

エニクス「わかるだろう?
お城にいる父と母には キミから
うまくいっておいてほしい。

エニクス「今さら あの子を
ひとりにして いけないし。
だから……。

*「た たいへんだ! たいへんだ!

*「おにいちゃーん! どこっ!
どこに いるのっ!?

*「たいへん なんだよ!
村が… 村が 魔物に……!

*「みんなして戦っているけど
あのままじゃ……。

エニクス「わかった すぐ もどる!

*「あっ まって!

(『ドラゴンクエストVI』やまはだの道(下の世界)の洞窟にて)

エニクス「ここには まだ魔物は
あらわれてない。

エニクス「ターニアは ボクがまもる。
キミたちは 外の魔物たちを
なんとかして くれないか。

ターニア「エニクスにいちゃん!?

ターニア「え?

ターニア「ええ?

ターニア「エニクスにいちゃんが
ふたり! どうなってるの?

エニクス「ターニア…… そのことは
あとで 話す。
今は 聞かないでくれ。

ターニア「……。

エニクス「ここは ボクが まもるよ。
キミたちは 外の魔物を!

(『ドラゴンクエストVI』ライフコッドの村(下の世界)のターニアの家にて)

エニクス「ダメだ! こいつは強いよ。
キミたちでも 勝てるかどうか……。

エニクス「でも ボクとキミが
ひとつになれば……。

エニクス「ねえ エニクス もし
キミとボクが ひとつになって
ボクの心が消えてしまっても……

エニクス「ターニアのことを
見まもってあげてくれると
約束して くれるかい?

エニクス「ありがとう エニクス。
これで 安心して キミと
ひとつに…もとに もどれるよ。

エニクス「ターニア…… ボクは
きおくを とりもどしたんだ。

ターニア「ほんと!?

エニクス「ボクは レイドックの王子。
ねたきりになった 父と母の
のろいをとくために ムドーの島へ。

エニクス「そして そこで
ムドーの まやかしに かかって
ボクの肉体と 精神は……。

ターニア「? なにを……いってるのか
よく わからないわ。

エニクス「さよなら ターニア。
少しの間だけど かわいい妹が
できて うれしかったよ。

ターニア「え? え? な……に?

エニクス「さあ エニクス……。

エニクス「…。

(『ドラゴンクエストVI』ライフコッドの村(下の世界)のターニアの家にて)

VとVIのケースは「主人公」のせりふとはいえないかもしれません。

VIでは他にも、戦闘中に「ハッスルダンス」「ぱふぱふ」「あそび」などの特技を使ったときにせりふがあります。

エニクスは ハッスルダンスを おどった!

エニクス「そーれ! ハッスル ハッスル!

(『ドラゴンクエストVI』戦闘中にて)

エニクスは スライムに
ぱふぱふを してあげた!

エニクス「ぱふぱふ ぱふぱふ……

(『ドラゴンクエストVI』戦闘中にて)

エニクスは ひとりじゃんけんを はじめた!

エニクス「ジャンケン ホイ!

(『ドラゴンクエストVI』戦闘中にて)

エニクスは おもむろに ひきがたりを はじめた!

エニクス「んー んー ララララー。

(『ドラゴンクエストVI』戦闘中にて)

VIIでも「ハッスルダンス」や「ぱふぱふ」を使ったときに、VIと同様のせりふを言います。また、リメイク版のIIIと同様に、主人公以外のキャラクタが小さなメダルを使ったときにも主人公がせりふを言うことがあります。

なお、「いっぱつギャグ」という特技を使うと、放ったギャグの内容がウィンドウに表示されます。また、「ぼけ」「つっこみ」の特技を使った状態で敵からの攻撃を受けた際に、それぞれ、なんちゃって!なんや それ!と表示されます。これらが「主人公のせりふ」に含まれるかどうかは疑問です。

ぱふぱふ

ぱふぱふ
作品 有無 実行可能? 金額 場所
FC I × 50 リムルダール
FC II 100 ルプガナ
FC III 0 アッサラーム
FC IV 0 モンバーバラ
× イムル
SFC V ×
SFC VI 0 ロンガデセオ
PS VII 0 コスタール
SFC I 20 マイラ
SFC II 0 ルプガナ
SFC III 0 アッサラーム
PS IV 0 モンバーバラ
× イムル

特に解説はしません。:-)

セーブ時の音楽

セーブ時の音楽の有無
作品 有無
FC I ×
FC II ×
FC III ×
FC IV
SFC V
SFC VI
PS VII
SFC I ×
SFC II ×
SFC III
PS IV

IVからはセーブの方法が変わり、王様に話してセーブするのではなく教会でセーブするようになりました。その際に2小節ほどの音楽が流れます。

IVからVIまでとリメイク版のIIIでも、音色は違うものの同じメロディが流れていました。しかし、リメイク版のIIIではテンポがはやくなりました。せっかちなプレイヤーのために変更されたのでしょうか? :-)

VIIでも同じメロディが流れますが、VIまでと同じテンポに戻っています。メモリーカードにセーブするには時間がかかるので、「間をもたせる」ために音楽を長めに戻したのでしょう。

障害物とぶつかったときの効果音

障害物とぶつかったときの効果音
作品 壁など 海岸線 人など
FC I
FC II × × ×
FC III × ×
FC IV × ×
SFC V
SFC VI
PS VII ×
SFC I ×
SFC II ×
SFC III × × ×
PS IV ×

キャラクタが移動するときに障害物とぶつかった際の効果音の有無について調べてみました。どうも作品ごとに効果音があったりなかったりして、一貫性がありません。

「ず」? 「づ」?

雷の杖・稲妻の剣の表記
作品 雷の杖 稲妻の剣
FC I
FC II いかづちのつえ いなずまのけん
FC III いかづちのつえ いなづまのけん
FC IV いかづちのつえ
SFC V いかずちのつえ
SFC VI いかずちのつえ
PS VII いかずちの杖
SFC I
SFC II いかずちのつえ いなずまのけん
SFC III いかずちのつえ いなずまのけん
PS IV いかずちの杖

ドラゴンクエストシリーズには「雷の杖」と「稲妻の剣」というアイテムがありますが、作品ごとに「いかち(いなま)」であったり「いかち(いなま)」であったりと変動しています。傾向としては、昔の作品では「づ」を使っていて、最近の作品では「ず」に変わってきているという感じです。

ファミリーコンピュータ版のIIIでは、雷の杖と稲妻の剣の表記にはともに「づ」が使われています。しかし、これらのアイテムを使った際のメッセージでは、以下のように「ず」が使われています。せめて一連のメッセージの中では表記を統一しておいてもよさそうなものですが。

えにくすは いかづちのつえを ふりかざした!
つえから いかずちが ほとばしる!

(『ドラゴンクエストIII(ファミリーコンピュータ版)』戦闘中にて)

えにくすは いなづまのけんを ふりかざした!
けんから いなずまが ほとばしる!

(『ドラゴンクエストIII(ファミリーコンピュータ版)』戦闘中にて)

また、ゲームボーイカラー版のIIIでは新アイテムとして「ルビスの剣」というアイテムがあり、使うとギガデインの効果があります。このアイテムを使った際のメッセージでは、以下のように「づ」が使われています。なお、「いかづち」の表記があるのはこのメッセージだけで、他はすべて「いかずち」の表記で統一されています。

エニクスは
ルビスのけんを ふりかざした!

あれくるう いかづちが
てきを うちくだく!

(『ドラゴンクエストIII(ゲームボーイカラー版)』戦闘中にて)

なお、「ず」と「づ」でどちらが正しい表記なのかという疑問がありますが、昭和61年7月1日内閣告示第1号の『現代仮名遣い』に従うならば、「ず」が本則であるが「づ」でもかまわないということになります。

なお、次のような語については、現代語の意識では一般に二語に分解しにくいもの等として、それぞれ「じ」「ず」を用いて書くことを本則とし、「せかいぢゅう」「いなづま」のように「ぢ」「づ」を用いて書くこともできるものとする。

せかいじゅう(世界中) いなずま(稲妻) かたず(固唾) きずな(絆) さかずき(杯) ときわず ほおずき みみずく うなずく おとずれる(訪) かしずく つまずく ぬかずく ひざまずく あせみずく くんずほぐれつ さしずめ でずっぱり なかんずく うでずく くろずくめ ひとりずつ ゆうずう(融通)

(昭和61年7月1日内閣告示第1号『現代仮名遣い』より)

カタカナ

使われているカタカナの数
作品 文字数
FC I 19
FC II 33
FC III 38
FC IV 38
SFC V 47
SFC VI 52
PS VII 52
SFC I 47
SFC II 47
SFC III 52
PS IV 52
GB I 52
GB II 52
GBC III 52

スーパーファミコン以降の作品では、メッセージにひらがな・カタカナに加えて漢字が使われていますが、ハードウェアの処理能力やROM容量が少なかったファミリーコンピュータ時代の作品では、メッセージは主にひらがなとカタカナだけでした。さらに、カタカナにしても「ア」から「ン」までのすべての文字が用意されているわけではなく、これが主人公の名前にカタカナが使えなかった原因の一つとなっていました。

ファミリーコンピュータ版Iで使用されたカタカナ
・イ・・・
カキ・・コ
・シス・・
タ・・・ト
・・・・・
・・・ヘホ
マミム・・
・・・
ラリルレロ
・・ン
・・・・・
・・・  ・
ファミリーコンピュータ版IIで使用されたカタカナ
アイウ・オ
カキク・コ
サシス・・
タ・・テト
ナ・ヌ・・
ハヒフヘホ
マミムメモ
・・・
ラリルレロ
・・ン
・・・・・
・・・  ッ
ファミリーコンピュータ版III・IVで使用されたカタカナ
アイ・エオ
カキク・コ
サシス・ソ
タ・・テト
ナニヌネノ
ハヒフヘホ
マミムメモ
・・・
ラリルレロ
・・ン
・・・・・
ャ・・  ッ
スーパーファミコン版V・I・IIで使用されたカタカナ
アイウエオ
カキクケコ
サシスセソ
タチツテト
ナニヌネノ
ハヒフヘホ
マミムメモ
ヤユヨ
ラリルレロ
ワヲン
・・・・・
ャュョ  ッ
スーパーファミコン版VI・III・プレイステーション版VII・IV・ゲームボーイ版I・II・IIIで使用されたカタカナ
アイウエオ
カキクケコ
サシスセソ
タチツテト
ナニヌネノ
ハヒフヘホ
マミムメモ
ヤユヨ
ラリルレロ
ワヲン
ァィゥェォ
ャュョ  ッ

Iで使われていたカタカナの数はわずかに19文字でした。「ねえ わたしの ぽーとぴあと あなたの ドラゴンくえすとを かえっこしてよ」というせりふからも、文字数の少なさがうかがえます。

また、ひらがなの「へ」と「り」をそれぞれカタカナの「ヘ」と「リ」として使っていたようです。なお、ファミリーコンピュータ時代の4作品はいずれもこのような「代用」を行って文字の種類を減らしていたようです。

IIではカタカナの数が大きく増えて33文字になりました。しかし拗音はなかったので、「メドーサボール」などというちょっと不自然な名前のモンスターもいたりします。拗音が使えたとすれば、(「モンスターの名前は7文字」という制限があるため)「メデュサボール」とか「メドゥサボール」といった名前になっていたのでしょうか。

IIIではカタカナの数が38文字になりました。それでもア行の拗音はなかったので、「ファラオ」を「フアラオ」という表記にせざるを得なかったようです。また、IVでもカタカナの数はIIIと同じく38文字のままで、使われている文字もIIIと同じでした。IVでは仲間キャラクタが「ライアン」とか「アリーナ」といったようにすべてカタカナの名前なので、主人公の名前にもカタカナを使いたかったところです。カタカナの名前に混じって一人だけひらがなの名前というのはちょっと浮いてしまいますし。

Vでカタカナの数が47文字となり、ようやく主人公の名前にカタカナが使えるようになりました。しかしここにきてもア行の拗音は用意されませんでした。「ナイトウイプス」というモンスターがいますが、これは本来「ナイトウィプス」としたかったのではないでしょうか。(それ以前に「ウィプス」ではなくて「ウィスプ」ではないのかという疑問もありますが……。"whip(鞭)"の複数形なのでしょうか?) また、Vの後に発売されたスーパーファミコン版I・IIでもカタカナについてはVと変わらず、ア行の拗音はありません。

VIでようやくア行の拗音が追加され、カタカナの数が52文字となりました。また、これ以降に発売されたスーパーファミコン版III・プレイステーション版VII・ゲームボーイ版のI・II・IIIも、VIと同様に52文字です。

番外編・淘汰の歴史

この文書ではシリーズで「定番」となっている要素の変化について書かれていますが、ここでは一作品限りで淘汰された要素について書いてみます。

ドラゴンクエスト(I)

「かいだん」コマンド

ファミリーコンピュータ版のIでは階段の上に乗っても階層が切り替わらず、「かいだん」コマンドを実行しないことには階層の移動ができませんでした。ファミリーコンピュータ版のIでは洞窟の通路が幅がキャラクタ1つ分と狭かったため、階段を素通りできるようにするためにこのような仕様になっていたのでしょう。

II以降はダンジョンが広くなって、通路は最低でもキャラクタ2つ分の幅が確保されました。そのためか階段の上にキャラクタが乗ると自動的に階層が切り替わるようになり、「かいだん」コマンドは廃止されました。

「とる」コマンド

ファミリーコンピュータ版のIには「とる」というコマンドがありました。これは宝箱の中身を入手するためのものです。II以降では「とる」コマンドが廃止されて、「しらべる」コマンドに統合されました。なお、ファミリーコンピュータ版のIでは、宝箱の上で「しらべる」コマンドを使っても、たからのはこが ある!と表示されるだけです。本当に「しらべる」だけです。

レミーラ・たいまつ

Iでは洞窟内の画面がいわゆるピープホール型の表示となっていて、明かりをつけないかぎり自分のまわりすら見えないようになっていました。レミーラはダンジョンにおいて明かりをつけるための呪文です。

明かりをつけるための道具である「たいまつ」は自分のまわりの3×3キャラクタ分の範囲しか照らせないのに対して、レミーラは5×5キャラクタ分の範囲を照らすことができました。しかし、歩き回っているうちに次第に効果がなくなってゆき、最後には消えてしまいます(たいまつなら洞窟にいる間は消えることはありません)。

II以降ではこのシステムは廃止されて、画面全体に洞窟内が表示されるようになったため、レミーラとたいまつはなくなりました。

なお、VI以降の作品(とリメイク版のIII)には「レミラーマ」というあやしい場所を光らせる呪文が登場しました。レミーラの上級呪文のような名前になっていますが(例: 「ラリホー」→「ラリホーマ」)、これは「光らせる」効果が共通であるためにこのような名前になったものと思われます。

まったくの余談ですが、リメイク版のIでは戦闘中にたいまつを使うと、たいまつを敵に投げつけて攻撃することができます。与えるダメージは5ポイント前後です。

使い捨ての鍵

扉を開けるための道具である「鍵」はすべての作品において登場しています。その中でIだけは鍵が消耗品という扱いになっていて、一度扉を開けるたびになくなってしまいます。鍵を補充するには「鍵屋」で鍵を購入する必要があります。

店で鍵が売られているケースは他の作品でもありますが(IIの牢屋の鍵やVIの盗賊の鍵)、一度使ったらなくなるというシステムはIだけのものです。

道具の売値が半額

Iでは道具を売ったときの値段が買値の半額でした。II以降のシリーズでは、買値の3/4となりました。

と思いきや、VIIではIと同様に売値は買値の半額になっています。VIIではただでさえお金がたまりにくいので、この設定はやや厳しく感じます。

主人公の名前によって強さが変わる

Iでは主人公の名前によって強さの初期値や成長パターンが変化します。強さの初期値は全部で16種類、成長パターンは4種類あります。

剣や盾を装備するとフィールド上のグラフィックが変わる

ファミリーコンピュータ版のIでは主人公が剣や盾を装備するとフィールドに表示されているキャラクタもちゃんと剣や盾を装備します。さすがに剣や盾の種類によってグラフィックが変化することはありません(変化したとしても違いがわからないでしょうし)。

スーパーファミコン版のIでは他の作品と同様に、装備品によってフィールド上のグラフィックが変わることはありません。しかし、ゲームボーイ版ではこのフィーチャーが復活しました。

左右反転した色違いモンスター

ファミリーコンピュータ版のIには、色が違うだけでなく左右の向きも逆になっている色違いモンスターもいました。ファミリーコンピュータ版のIでは戦闘画面に背景が表示されていたことから、スプライトを使用してモンスターの表示を行っていたと思われます。ファミリーコンピュータのスプライトには反転表示機能があるので、左右を反転してモンスターを表示することができたわけです。

ドラゴンクエストII

30ポイントダメージのバリア

ドラゴンクエストシリーズでおなじみのバリアは、1歩につき15ポイントのダメージを受ける水色のバリアですが、IIでは1歩につき30ポイントのダメージを受ける黄色のバリアが存在しました。これはベラヌールの町・ロンダルキア南のほこら・ハーゴンの神殿の3か所にありました。

スーパーファミコン版では黄色のバリアのダメージが半分の15ポイントになっています。これは、ファミリーコンピュータ版では1歩の移動でキャラクタ1個分移動するのに対し、スーパーファミコン版では1歩の移動でキャラクタ半個分しか移動しないことから、1歩あたりのダメージが半分になったわけです。よって、青色のバリアもダメージは半分の7ポイントになっています。

なお、ゲームボーイ版にも黄色のバリアはあって、スーパーファミコン版と同様にダメージが15ポイントになっています。青色のバリアも同様にダメージは7ポイントです。しかし、ゲームボーイ版ではスーパーファミコン版と違って1歩の移動でキャラクタ1個分移動するので、バリアのダメージが実質的に半分になったといえるでしょう。

主人公の名前によって仲間キャラクタの名前が変わる

IIでは仲間キャラクタ(サマルトリアの王子・ムーンブルクの王女)の名前は8種類用意されていて、主人公の名前によって仲間キャラクタの名前がそれぞれ確定します。サマルトリアの王子の名前が「トンヌラ」や「すけさん」になってしまって、涙をのんだ人も多いのではないでしょうか。:-)

ドラゴンクエストIII

レムオル

レムオルはパーティ全員を透明にする呪文です。エジンベア城内に入るためだけにしか使えない呪文なので、IV以降でなくなったのも当然でしょう。また、それにともない「消え去り草」もなくなりました。

ボミオス

ボミオスは敵1グループの素早さを下げる呪文です。敵の素早さが下がってもそれほどメリットはありませんし、敵にかける呪文なので効かないこともあります。わざわざこの呪文を使うために1ターンと3ポイントのマジックポイントを費やすほどのメリットは感じにくいので、IV以降でなくなったのもうなずけます。なお、それにともない「まだらクモ糸」もなくなりました。

素早さに関する呪文としては、同じくIIIから導入されたピオリムという呪文があります。これも普通にプレイしているかぎりは影の薄い呪文です。はぐれメタルを倒すときに、ドラゴラムを使ってドラゴンに変身した仲間の素早さを上げるときくらいにしか使わないでしょう。こちらは一応IVにも採用されましたが、IVでもやはりかなり影の薄い呪文でした。V以降でこちらもなくなりました。

キャラクタメイキング

仲間キャラクタを自由に作成できるのはIIIだけです。それ以降、このようなシステムを採用した作品はありません。

初期のドラゴンクエストシリーズのゲームシステムには、Wizardryを手本としたと思われる要素が多く見られますが、中でもIIIはWizardryの影響を色濃く受けた作品であると感じます。その要因としては、この「キャラクタメイキング」の要素と「職業システム」「転職システム」の存在が大きいと思います。

「DRAGON QUEST」のタイトルロゴの「T」が剣の形をしていない

「淘汰された要素」と言うのは変ですが、ファミリーコンピュータ版のIIIではタイトルロゴが他の作品と違い、「T」の文字が剣の形ではありませんでした。これは、ファミリーコンピュータ版のIIIのロゴが全体で剣の形をしていたために、剣のデザインがかぶらないように配慮したのでしょう。ちなみにリメイク版のIIIでは、他の作品と同様に「T」の文字が剣の形をしています。

今後、調査・追加する予定の項目

Author: Shingo Endo <s-endo@yk.rim.or.jp>
Last Updated: 2001-12-30
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